第17回 力の正体⑥ ニュートンの運動の第2法則-運動方程式

第2章 力の正体
黒沼先生
黒沼先生

黒沼 電蔵
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波多野さん
波多野さん

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光井 くん
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はじめに

黒沼先生
黒沼先生

さて、前回はニュートンの運動の第1法則を学んだの。

波多野さん
波多野さん

慣性の法則!!
物体にはたらく力がつり合っていると速度は変化しないんだよね。

黒沼先生
黒沼先生

では、力を加えた場合に物体の速度はどのように変化すると思う?

波多野さん
波多野さん

力が大きいほど、一気に速くなりそう!

光井くん
光井くん

同じ力でも、重い物体は加速しにくそうですね。

黒沼先生
黒沼先生

うむ。今回は、力・質量・加速度の関係を表す、ニュートンの運動の第2法則を学んでいこう。

力を加えると速度が変化する

黒沼先生
黒沼先生

止まっている台車を押すと動き始める。
さらに力を加え続けると、速度は少しずつ大きくなっていくのじゃ。

波多野さん
波多野さん

力を加えた瞬間に、一定の速さになるわけじゃないんだね。

黒沼先生
黒沼先生

その通り。
力によって生じるのは速度そのものではない。速度の変化、つまり加速度じゃよ。

\(a=\frac{\Delta v}{\Delta t}\)

光井くん
光井くん

1秒当たりの速度の変化を表しているものですね。

黒沼先生
黒沼先生

うむ。
では、加える力や台車の質量を変えると、加速度がどう変化するのか確かめてみよう。

ニュートンの運動の第2法則

黒沼先生
黒沼先生

このアニメーションでは、加える力と台車の質量を、それぞれ3段階から選べるぞ。
条件を選んで「スタート」を押してみよう。

光井くん
光井くん

今回は摩擦を考えていないので、台車を押す力がそのまま水平方向の合力になるのですね。

黒沼先生
黒沼先生

確かにその点は重要じゃ。
君にしてはいい着眼点じゃ。

力を変えると?

黒沼先生
黒沼先生

まずは台車の質量を「中」の \(2\ \mathrm{kg}\) に固定してみよう。
その状態で、加える力を変化させて比べてみのじゃ。

波多野さん
波多野さん

力を2倍にすると加速度も2倍、力を4倍にすると加速度も4倍になった!

黒沼先生
黒沼先生

うむ。質量が同じなら、加速度は加える力に比例するのじゃ。

\(a\propto F\)

質量を変えると?

黒沼先生
黒沼先生

次は加える力を「中」の \(4\ \mathrm{N}\) に固定し、質量だけを変えてみよう。

波多野さん
波多野さん

質量が大きくなるほど加速度が小さくなった!

黒沼先生
黒沼先生

同じ力を加えた場合、加速度は質量に反比例するのじゃ。

\(a\propto \frac{1}{m}\)

光井くん
光井くん

質量は、物体の動かしにくさや止めにくさにも関係しているのですね。

波多野さん
波多野さん

台車が重いほど、今の運動状態を変えにくいんだ!

\(v\)-\(t\)グラフで比べよう

波多野さん
波多野さん

力を強くするしたり質量を小さくすると、\(v\)-\(t\)グラフの線が急になっているね。

黒沼先生
黒沼先生

\(v\)-\(t\)グラフの傾きは加速度を表しておるからの。加速度が大きいほど、グラフの傾きも大きくなるのじゃ。

光井くん
光井くん

台車の動きだけでなく、グラフの傾きを見ると違いが分かりやすいですね。

黒沼先生
黒沼先生

うむ、このように力・質量・加速度の関係を表した物理の基本原理がニュートンの運動の第2法則と呼ばれているのじゃ。

運動方程式

黒沼先生
黒沼先生

ここまでに分かった関係を整理しよう。

  • 加速度は、加えた力に比例する
  • 加速度は、質量に反比例する
黒沼先生
黒沼先生

この二つを合わせると、加速度は次の式で表される。

\(a=\frac{F}{m}\)

この式を変形すると、

\(\boxed{F=ma}\)

となる。この式を運動方程式と呼ぶのじゃ。

光井くん
光井くん

正確には、物体にはたらく力の合力を \(F\) としていることに注意が必要ですね。

黒沼先生
黒沼先生

ほう、生意気にも揚げ足取りかい?

光井くん
光井くん

大切な点なので。

黒沼先生
黒沼先生

……まあ、よいじゃろう。複数の力がはたらいている場合は、まずそれらを合成し、合力 \(F\) を求めるのじゃ。

力と加速度の向き

波多野さん
波多野さん

式から力と加速度の大きさの関係は分かったけど、向きはどうなるの?

黒沼先生
黒沼先生

加速度の向きは合力の向きと同じになる。右向きに合力がはたらけば右向きに加速し、左向きに合力がはたらけば左向きに加速するのじゃ。

力の単位「ニュートン」

黒沼先生
黒沼先生

力の単位には、ニュートンを使う。記号は \(\mathrm{N}\) じゃ。
\(1\ \mathrm{kg}\) の物体に \(1\ \mathrm{m/s^2}\) の加速度を生じさせる力を、\(1\ \mathrm{N}\) という。

\(1\ \mathrm{N}
=1\ \mathrm{kg}\cdot\mathrm{m/s^2}\)

波多野さん
波多野さん

名前がそのまま単位になっているんだね。

黒沼先生
黒沼先生

わしも後世に名を残したいものじゃ。

光井くん
光井くん

先生の場合、何を測る単位になるんですか?

黒沼先生
黒沼先生

……親しみやすさ?

波多野さん
波多野さん

それなら、かなり小さな単位になりそうだね。

黒沼先生
黒沼先生

……。

今日のまとめ

黒沼先生
黒沼先生

今日のポイントを整理しておこう。

  • 合力が \(0\) でないとき、物体には加速度が生じる
  • 質量が同じなら、加速度は合力に比例する
  • 合力が同じなら、加速度は質量に反比例する
  • 加速度の向きは合力の向きと同じ
  • 以上のような運動の基本原理をニュートンの運動の第2法則という
  • 運動方程式は、

\(\boxed{F=ma}\)

  • 力の単位はニュートンであり、

\(1\ \mathrm{N}=1\ \mathrm{kg}\cdot\mathrm{m/s^2}\)

波多野さん
波多野さん

大きな力を加えるほど加速しやすくて、質量が大きいほど加速しにくいんだね。

次回 ニュートンの運動の第3法則ー作用・反作用の法則

黒沼先生
黒沼先生

よ・う・こ・そ~、ふふ~んふ~ん……りんごをどうたら~。
(シャーーー)
シャカリ~キ、ふふ~んふ~ん…。
(シャーーー)

光井くん
光井くん

先生、教室でローラースケートは危ないですよ。

黒沼先生
黒沼先生

余計なお世話じゃ。これも実験の準備なのだよ。

波多野さん
波多野さん

でも、ローラースケートで何の実験をするの?

黒沼先生
黒沼先生

見ておれ。
この壁を思いっきり押すと……。

(ドンッ!)

黒沼先生
黒沼先生

ぬおおおおおっ!?(シャーーーーーーー!)

黒沼先生
黒沼先生

こ、こわい!
たすけてぇぇぇ!(ガシャーン!)

光井くん
光井くん

何がしたかったんですか?

黒沼先生
黒沼先生

うむ……。
このように、壁に力を加えると壁からも、反対向きの力を受けるのじゃ。

波多野さん
波多野さん

押した力と、押し返された力には関係があるってこと?

黒沼先生
黒沼先生

その通り。
次回は、二つの物体の間にはたらく力の関係―ニュートンの運動の第3法則を学ぶぞ。

光井くん
光井くん

まずはローラースケートを脱いだらどうですか?

黒沼先生
黒沼先生

じゃあ、起こして。

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