
黒沼 電蔵
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はじめに

さて、前回はニュートンの運動の第1法則を学んだの。

慣性の法則!!
物体にはたらく力がつり合っていると速度は変化しないんだよね。

では、力を加えた場合に物体の速度はどのように変化すると思う?

力が大きいほど、一気に速くなりそう!

同じ力でも、重い物体は加速しにくそうですね。

うむ。今回は、力・質量・加速度の関係を表す、ニュートンの運動の第2法則を学んでいこう。
力を加えると速度が変化する

止まっている台車を押すと動き始める。
さらに力を加え続けると、速度は少しずつ大きくなっていくのじゃ。

力を加えた瞬間に、一定の速さになるわけじゃないんだね。

その通り。
力によって生じるのは速度そのものではない。速度の変化、つまり加速度じゃよ。
\(a=\frac{\Delta v}{\Delta t}\)

1秒当たりの速度の変化を表しているものですね。

うむ。
では、加える力や台車の質量を変えると、加速度がどう変化するのか確かめてみよう。
ニュートンの運動の第2法則

このアニメーションでは、加える力と台車の質量を、それぞれ3段階から選べるぞ。
条件を選んで「スタート」を押してみよう。

今回は摩擦を考えていないので、台車を押す力がそのまま水平方向の合力になるのですね。

確かにその点は重要じゃ。
君にしてはいい着眼点じゃ。
力を変えると?

まずは台車の質量を「中」の \(2\ \mathrm{kg}\) に固定してみよう。
その状態で、加える力を変化させて比べてみのじゃ。


力を2倍にすると加速度も2倍、力を4倍にすると加速度も4倍になった!

うむ。質量が同じなら、加速度は加える力に比例するのじゃ。
\(a\propto F\)
質量を変えると?

次は加える力を「中」の \(4\ \mathrm{N}\) に固定し、質量だけを変えてみよう。


質量が大きくなるほど加速度が小さくなった!

同じ力を加えた場合、加速度は質量に反比例するのじゃ。
\(a\propto \frac{1}{m}\)

質量は、物体の動かしにくさや止めにくさにも関係しているのですね。

台車が重いほど、今の運動状態を変えにくいんだ!
\(v\)-\(t\)グラフで比べよう

力を強くするしたり質量を小さくすると、\(v\)-\(t\)グラフの線が急になっているね。

\(v\)-\(t\)グラフの傾きは加速度を表しておるからの。加速度が大きいほど、グラフの傾きも大きくなるのじゃ。


台車の動きだけでなく、グラフの傾きを見ると違いが分かりやすいですね。

うむ、このように力・質量・加速度の関係を表した物理の基本原理がニュートンの運動の第2法則と呼ばれているのじゃ。
運動方程式

ここまでに分かった関係を整理しよう。
- 加速度は、加えた力に比例する
- 加速度は、質量に反比例する

この二つを合わせると、加速度は次の式で表される。
\(a=\frac{F}{m}\)
この式を変形すると、
\(\boxed{F=ma}\)
となる。この式を運動方程式と呼ぶのじゃ。

正確には、物体にはたらく力の合力を \(F\) としていることに注意が必要ですね。

ほう、生意気にも揚げ足取りかい?

大切な点なので。

……まあ、よいじゃろう。複数の力がはたらいている場合は、まずそれらを合成し、合力 \(F\) を求めるのじゃ。
力と加速度の向き

式から力と加速度の大きさの関係は分かったけど、向きはどうなるの?

加速度の向きは合力の向きと同じになる。右向きに合力がはたらけば右向きに加速し、左向きに合力がはたらけば左向きに加速するのじゃ。

力の単位「ニュートン」

力の単位には、ニュートンを使う。記号は \(\mathrm{N}\) じゃ。
\(1\ \mathrm{kg}\) の物体に \(1\ \mathrm{m/s^2}\) の加速度を生じさせる力を、\(1\ \mathrm{N}\) という。
\(1\ \mathrm{N}
=1\ \mathrm{kg}\cdot\mathrm{m/s^2}\)

名前がそのまま単位になっているんだね。

わしも後世に名を残したいものじゃ。

先生の場合、何を測る単位になるんですか?

……親しみやすさ?

それなら、かなり小さな単位になりそうだね。

……。
今日のまとめ

今日のポイントを整理しておこう。
- 合力が \(0\) でないとき、物体には加速度が生じる
- 質量が同じなら、加速度は合力に比例する
- 合力が同じなら、加速度は質量に反比例する
- 加速度の向きは合力の向きと同じ
- 以上のような運動の基本原理をニュートンの運動の第2法則という
- 運動方程式は、
\(\boxed{F=ma}\)
- 力の単位はニュートンであり、
\(1\ \mathrm{N}=1\ \mathrm{kg}\cdot\mathrm{m/s^2}\)

大きな力を加えるほど加速しやすくて、質量が大きいほど加速しにくいんだね。
次回 ニュートンの運動の第3法則ー作用・反作用の法則

よ・う・こ・そ~、ふふ~んふ~ん……りんごをどうたら~。
(シャーーー)
シャカリ~キ、ふふ~んふ~ん…。
(シャーーー)

先生、教室でローラースケートは危ないですよ。

余計なお世話じゃ。これも実験の準備なのだよ。

でも、ローラースケートで何の実験をするの?

見ておれ。
この壁を思いっきり押すと……。
(ドンッ!)

ぬおおおおおっ!?(シャーーーーーーー!)

こ、こわい!
たすけてぇぇぇ!(ガシャーン!)

何がしたかったんですか?

うむ……。
このように、壁に力を加えると壁からも、反対向きの力を受けるのじゃ。

押した力と、押し返された力には関係があるってこと?

その通り。
次回は、二つの物体の間にはたらく力の関係―ニュートンの運動の第3法則を学ぶぞ。

まずはローラースケートを脱いだらどうですか?

じゃあ、起こして。
