第1回 「どうして?」から始まる学問

第1章 運動の基本
黒沼先生
黒沼先生

黒沼 電蔵
物理の先生をしている
女子にやさしく、自分以外の男子に厳しい

波多野さん
波多野さん

波多野さん
勉強が苦手な女の子
素直で明るい性格      

光井くん
光井くん

光井くん
勉強が得意な男の子
成績が良いため黒井先生の助手をさせられている

はじめに

波多野さん
波多野さん

先生、あたしね……物理ってすごく苦手なの。

黒沼先生
黒沼先生

なるほどのう。でも、どうして苦手だと思うのかな。

波多野さん
波多野さん

だって、公式ばっかり覚える教科ってイメージがあるんだもん。

光井くん
光井くん

たしかに、物理というと「公式を暗記する科目」って考えがちですよね。

黒沼先生
黒沼先生

光井君は今日も元気だねぇ。

光井くん
光井くん

はい!

黒沼先生
黒沼先生

元気なら、校庭10周してこい。

光井くん
光井くん

何でですか⁈

物理=暗記じゃない

黒沼先生
黒沼先生

「公式を暗記する科目」というのは、物理の一番もったいない勘違いなんじゃよ。

波多野さん
波多野さん

え、ちがうの?

黒沼先生
黒沼先生

物理は、身の回りで起こる現象を説明するための学問なのじゃよ。
例えば、走っている電車が急に止まると、体はどうなる?

波多野さん
波多野さん

前にグワッてなる!

黒沼先生
黒沼先生

そうじゃな。では……
電車は止まったのに、どうして体は前に動こうとするのか?

波多野さん
波多野さん

え……。

光井くん
光井くん

慣性ですね。

黒沼先生
黒沼先生

うるさい!!

光井くん
光井くん

そんなぁ。

黒沼先生
黒沼先生

では、愚かな光井君に質問しよう。
慣性とはなんじゃ?

光井くん
光井くん

えっ……。

黒沼先生
黒沼先生

「慣性」という名前を知っているだけでは、まだ入口じゃ。
未熟者め!!

光井くん
光井くん

うっ……。

黒沼先生
黒沼先生

名前を知っていることと、理解していることは違う。
これが物理で一番大切なことじゃ

「どうして?」から始まる

波多野さん
波多野さん

じゃあ物理ってなにを勉強するの?

黒沼先生
黒沼先生

かわいい。
それに、いい質問じゃ。
こんなことを考えたことはないかな?

🍎 リンゴはなぜ落ちる?
🌙月はなぜ落ちてこない?
🚗 車はなぜ止まる?
⚽ ボールはなぜ飛ぶ?
🌈 虹はなぜ見える?
🪞鏡は、なぜ左右が逆に見える?

波多野さん
波多野さん

考えたことある。
言われてみれば「どうして?」だろう?

黒沼先生
黒沼先生

物理は、その「どうして?」を説明してくれる教科なのじゃよ。

光井くん
光井くん

なるほど……。
知識を覚える教科じゃなくて、理由を考える教科なんですね。

黒沼先生
黒沼先生

君は、たまにしかいいことを言わないね。

光井くん
光井くん

普通にほめてくださいよ…。

黒沼先生
黒沼先生

現象を観測し、「どうして?」と考え、法則が見つかり、公式で整理する。
つまり、公式は覚えるよりも、「なぜその公式なるのか」を理解することが大切なのじゃ。

今日のまとめ

黒沼先生
黒沼先生

今日覚えることは一つだけ。

物理とは、「どうして?」を考える学問である。

波多野さん
波多野さん

公式を覚えるだけじゃないんだね!

黒沼先生
黒沼先生

その通りじゃ。

次回 移動距離と変位

黒沼先生
黒沼先生

波多野さんの家から学校までの距離は1kmだったね?

波多野さん
波多野さん

うん。

光井くん
光井くん

なんで、知ってるんですか…。

黒沼先生
黒沼先生

では、変位も1kmかの?

波多野さん
波多野さん

えっ。

光井くん
光井くん

えっ。

黒沼先生
黒沼先生

では光井君、さようなら。
波多野さんは家まで送っていこう。

波多野さん
波多野さん

結構で~す。

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